鹿肉の優れた栄養価
目次 記事内の用語リンクは[元の位置に戻る]で読んでいた所に戻れます。当記事は約3分40秒で読めます。 鹿肉の言い伝え昔から鹿肉は刺身で食べるのが常識で、山の大トロと言われてきました。 (念のため現在"生食"は禁止されていて充分な加熱が推奨されています) 鹿は体温が高く、寄生虫やウィルスがつきにくい為、「洗浄肉」ともいわれています。 そして、以下のような言い伝えがあります。 おばあちゃんの知恵袋
鹿肉には体温を高める働きがあり、食べることが免疫力の向上にもなり、病気になりにくい体になるといわれています。 でも、「鹿肉にそんな効果が本当にあるのでしょうか?」 これが最初に生まれた疑問で、鹿肉について少し掘り下げてみる事にしました。 知られざる鹿肉の優れた栄養価鹿肉の言い伝えを紹介してきましたが、その言い伝えには、なにか根拠となるものはないのでしょうか....。以下が調査結果です。 鹿肉と牛肉・豚肉の栄養価をそれぞれ比較した表で、ご案内します。 栄養成分の比較100gあたり
※1ニホンジカ、赤肉、生 ※2和牛肉(サーロイン)、赤肉、生 ※3大型肉種、肩ロース、脂身付、生 表を見ていただくと分かるように、鹿肉は栄養素8種類の内6種類が、牛肉・豚肉より優れた数値になっています。 シカ肉は カロリーが牛肉の半分 脂質が5分の1 鉄分は1 .7倍 という結果が出ています。 まず一つ、根拠となる国発行のデータで高い栄養価があり、脂質が低くとてもヘルシーな食材である事が分かりました。 なかでも鉄分のヘム鉄が豊富で、非ヘム鉄に比べて人体と相性が良く、鉄分の吸収率が5〜6倍高いとの報告があります。 又、上記表に記載されていない要素として、ほかにもナイアシン8mg、パントテン酸0.8mg、カリウム350mg、マグネシウム26mg、リン200mgと豊富な栄養素が含まれています。 そして、もう一つの根拠が以下になります。 アセチルカルニチンが豊富次に2つ目の根拠となる情報が農水省発行のPDF「特集ジビエ」(外部リンク)に掲載されています。 以下に要約でご紹介します。 鹿肉は、牛肉・豚肉と比較してみても優れた栄養価を備えているのですが、さらに注目されている成分があります。 その成分はシカ肉に含まれる「アセチルカルニチン」です。 アミノ酸の一種で、脳機能向上や疲労・ストレス軽減などの効果があると報告されている成分です。 青魚のDHAにも似た働きのあるアセチルカルニチンですが、シカ肉には牛肉の2倍も含まれています。 カルニチンの働きは、先に紹介したもののほかに「体内の脂肪を燃焼させる働きに役立つ」という点が挙げられます。 カルニチンは脂質からエネルギーを取り出す際に、燃焼の場となるミトコンドリア内に運搬する役割を担う唯一のアミノ酸なのです。 そのカルニチンの生成体がアセチルカルニチンで、全体の1割の状態で存在しており、天然のサプリメントといわれています。 スポーツ選手にも適した食材として注目されているほか、ダイエット食や病中病後の療養食、高齢者の介護食としての利用も現在期待されています。 以上が要約した内容になりますが、さらに調べていくと、優れた栄養素がまだありました。 鹿肉には共役リノール酸あり共役(きょうやく)リノール酸は反芻(はんすう)動物[シカ科・キリン科・ウシ科などとラクダ科に属する哺乳類の総称]の消化管内微生物の働きにより、リノール酸からできる不飽和脂肪酸です。これにより、脂肪燃焼、抗酸化作用、アレルギーの予防、疲労回復などの効果が期待されています。 共役リノール酸は体内では生成されない為、食品から摂取することになるのですが、摂取が難しい成分といわれています。 これも鹿肉を食べることで不足しがちな共役リノール酸を補うことができます。 ......鹿肉ってすごくないですか? 昔から云われていること「体温を高める」「病気を予防」の根拠が現代のデータではっきりと確認できました。 (データではなく、経験で言い伝えてきた昔の人もすごいです^ ^) 以上、鹿肉の優れた栄養素でした.... と結を取りたいところですが、 じつは鹿肉にはもう一つ牛肉・豚肉と比較して優れた部分があります。 次ページでは、その優れた部分に焦点をあて、ご案内していきます。 >鹿肉を食べるメリット |
うまい鹿肉用語サポート
筆者:うまい鹿肉 和田 監修:大久保